睡眠の質を悪くする5つの原因とは?
睡眠は長く眠れば良いというものではありません。
睡眠中は、さまざまなホルモンや酵素がはたらいて、日中の活動によって傷んだ細胞組織の修復や記憶情報の処理をしたり新陳代謝などの大切な生体作業がおこなわれる大切な時間です。
長く眠っても疲れが取れないような「睡眠の質が悪い」という状態は、睡眠中の体内の動きが正常ではないといえます。
熟睡できない、途中で目が覚める、疲れが取れていない、眠気が残るなどの不調がある場合は睡眠の質をチェックするとよいでしょう。
たとえ短時間であっても、睡眠の質が良ければスッキリと目覚めることができて、疲れも残らなくなるものです。
では何が原因で睡眠の質が悪くなるのでしょうか?
目次
1.肥満や無呼吸症候群が原因になっている
閉塞性睡眠時無呼吸症候群という言葉を聞いたことはありますか?
これは器官が圧迫されて呼吸を止めてしまう怖い症状で、いびきなどもその症状の1つだと言われています。
脳卒中など致命的な病気とも関係が深いのですが、その多くは肥満から引き起こされるようです。
寝ている途中で息が止まってしまうので、睡眠の質を大きく低下させてしまいますが、本人は気づかないことも多い厄介な症状です。
過度な肥満は睡眠の質と低下させる原因になるということです。
2.成長ホルモンの欠乏で取れない疲れ
成長ホルモンは体組織の修復や代謝の働きに関わり、不足すると疲れやすく、日に日に疲労が蓄積されていくようになります。
成長ホルモンは睡眠開始後30分~1時間の間に多く分泌されますが、夜間の10時から4時間後の2時頃までが効率よく分泌しますので、昼夜逆転したような生活をしているとうまく分泌されず、睡眠中の大切な仕事である「傷ついた組織の修復」がうまく行われません。
3.長引くストレスで緊張状態に・・
日中に起きた嫌なことを就寝時まで引きずってしまうと眠りの質を低下させてしまいます。
睡眠は副交感神経が優位になってはじめて「理想的な眠り」に入ることができます。
ストレスが残ったままだと脳は緊張と興奮を保ち続けてしまい、熟睡することができなくなります。
参考:興奮して眠れないと思ったら~心と体の興奮を鎮める7つの方法~
参考:心の不安や興奮が治まらずに眠れないときの対処法や考え方
4.意外と大切な寝具えらび
自分に合わない布団や枕を使っていると途中で何度も目が冷めたりして良い睡眠を妨げます。
特に肩こり、腰痛などをお持ちの方は枕と敷布団を選ぶときには気をつけましょう。
自分にあって寝具が見つかると見違えるように熟睡できて体調不良が改善されることがあります。
5.神経伝達物質の不足は致命的
人の眠りはノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返して行います。
その中でセロトニンやノルアドレナリンやギャバ、メラトニンなどの神経伝達物質が活躍して睡眠時間をプログラムしています。
偏った食生活によって、これらの神経伝達物質の原料である栄養素が十分に摂れていないと、睡眠中に行われる脳の情報処理や睡眠サイクルの維持ができなくなってしまうのです。
おわりに
「適正時間といわれる7時間をきちんと眠れている」という方でも睡眠の質が悪いと疲れがとれずに、目覚めが悪い、だるくてやる気がでない、などの症状が現れます。
睡眠の質が悪く眠りのサイクルが本格的に狂ってしまうと、ついにはほんとうの不眠症になってしまうこともあるので注意が必要です。